家屋倒壊事件

ぎょっとするニュース。

木造民家が倒壊 東京・渋谷、老朽化か

 26日午後3時50分ごろ、東京都渋谷区上原3で木造2階建ての民家が倒壊したと119番があった。警視庁代々木署によると、築約80年の民家には80歳と74歳の姉妹2人がいたが、倒壊前に逃げ出して無事だった。同署は老朽化が原因とみている。

 調べによると、民家は昭和3年(1928年)に建築された。姉妹は事情聴取に「1階にいたら、ミシミシという音がして崩れ始めたので逃げた」と話しているという。

 現場は小田急代々木上原駅近くの住宅街。(01:31)
日経新聞
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080826AT1G2603B26082008.html

このニュースを伝えた朝8時のフジテレビの番組のレポーターがなんだか変なことを言っていた。

「周辺住民は皆「危ないから取り壊してほしい」と行政やら警察やら消防やらに言っていたのだけど、
住んでいるおばあさん2人が住みたいから、と言っているからどうしようもない」
という説明のところで、
なぜか旧借地法・旧借家法を援用していた。
現地レポーターいわく、
「旧借地法の時代ですので、居住者の「居住権」が強いんですよ、だから法的にはどうしようもない」

・・・ん、なんだかおかしいぞ。

確かに戦後直後の住宅難から借家人を保護するために、今から考えるととんでもない事態(所有権者が住む必要があっても追い出すわけにはいかず、同居せざるをえないとか)が生じた法律、という話は大学の課程のどっかで習ったような気がする。

でもねえ、「築80年でいつ壊れてもおかしくない斜めになってる家」を取り壊すことに
反対できる性質のものじゃあないでしょうよ。
それなのに、ましてやこの家が借地上にあるのか、借家なのかも明示しないまま(少なくとも当該番組は言っていない)に「旧借家法の時代だからね」とコメントするのってどうよ。
まあ、未だに「旧」借家法が適用される時代の建物が残っているというのもすごいけど。


・・・とここまで書いていて、そういやうちの前の長屋(築100年)も取り壊したばかりだった。
ほっとけば大惨事。
他人事じゃあないなあ。